淫獣聖戦ZZ 第4章 改訂版
著者 : パンダパン




「若ーっ! 若ーっ!……ぬぅ、なんということぞなもし」
失意のうちに天神学園を後にした木偶の坊は、天津屋敷に戻って愕然となった。
結界で護られていたはずの屋敷には、鬼麿はおろか、天神子守衆の姿もなくなっていた。

「若……亜衣さま、麻衣さま…!」
木偶の坊は、苦渋の表情で立ち尽くしていた。
皆が鬼獣淫界の魔手によって連れ去られたことは間違いない。すぐにも救い出しに行かねばならなかった。
しかし、その手立てが見つからず、途方に暮れる。

(このような時、オババさまが生きていて下されば!)
木偶の坊は無力感に歯噛みをし、その固い拳で己の額をゴツゴツと殴りつけた。

「ぐうぅっ! 儂はなんたる役立たずぞな! 若をむざむざと連れ去られて、何のための守役ぞ! 名前の通りの、とんだ木偶の坊ではないか……」
クワッと見開いた目は充血し、今にも血の涙を流さんばかりである。厚い額の皮が破れ、血が流れ出ていた。

―――バサッ、バサッ、バサッ
不意に微かな羽音と共に、一羽の白フクロウが舞い降りた。
フクロウは羽をたたむと、身じろぎもせず、じっと木偶の坊の顔を見つめている。
焦燥に我を忘れていた木偶の坊は、視線に気づき、顔をあげた。

(……ぬ……この眼は、どこかで……)
不可思議なことに、白フクロウの目には、落ち着いた深みと、言い知れぬ威厳が宿っていた。
真智と慈愛に満ちたその眼差し――。
ハッと気づいて、木偶の坊は呟いた。

「……オババさま……もしや、オババさまでござるぞなもし!」
木偶の坊の問いかけに答えるようにしばし瞳を見つめ、その後、フクロウは首を巡らせ、翼を広げてもう一度木偶の坊を見やった。

「ついて来いと、おっしゃるのでござるか?」
その声に応えるかのように、白フクロウはバサリ、バサリ、と羽ばたき、飛び上がった。
木偶の坊も、すぐさまその後を追って走り出す。

「――若、亜衣さま、麻衣さま、すぐにも助けに参りますぞ!!」
力強い叫びがあたりに響きわたった。





「鬼夜叉童子さま……いやさ、時平さま、憎き我らが宿敵、天津の羽衣姉妹、引き捕らえて参りましてござりまする!」
ラーガが誇らかに大音声をあげて、鬼夜叉童子の前に進み出た。

「――おお、でかした。さすがはラーガよ! ホーッホッホッホッ、なんとも良いザマよの……」
引き出された姉妹を見て、鬼夜叉童子は喜色を満面にたたえて立ち上がった。
今は赤い肌の淫鬼の姿ではなく、貴族装束を身に纏った人間の姿をしている。
亜衣と麻衣は、両腕を後ろ手に縛られたほかは、一糸纏わぬ姿で立たされていた。

先刻までいたぶられ続けた女陰は焼けるように熱く、むず痒いそこに触れることもできないもどかしさは、頂点に達しようとしていた。
麻衣はほとんど立っているのがやっとといった感じで、もじもじと太腿をこすり合わせて身悶えていた。
うるうると光る瞳と、切迫した表情を見れば、どのような状態にあるかは一目瞭然だ。
亜衣は脚を固く閉じて快感と戦い続けていた。
しかし、そんな抵抗を嘲笑うかのように、内腿を淫らな液体が伝っていく。亜衣は悔しさに唇を噛んで身を震わせた。
時平は目を細めて、今にも舌舐めずりをしそうな表情で、姉妹をじっくりと視姦していた。

「ホホホホッ、今まで幾度もとり逃しておじゃったが、もう容赦はいたさぬ。麿が自らたっぷりと犯し抜いてくれる」
扇で口もとを隠しながら、愉悦に満ちた声で言う。

「すぐにでもお愉しみいただけるよう、じっくりと下ごしらえをしておきましたれば、御存分に。じきにラージャが淫魔大王さまもお連れいたしまする。ついに我らが悲願の成る日が参りましたな」
「まさしく重畳じゃ。これも全てそなたらのおかげよの」
「ありがたきお言葉にござりまする。ささ、冷めてしまわぬうちに、蕩けきった女体をゆっくりご賞味あれ」
ラーガが淫猥な笑みを浮かべて促す。

「そうじゃの……はてさて、どちらから馳走になろうか……迷うところでおじゃる。ホーッホホホッ」
亜衣と麻衣は恐怖と屈辱に必死で耐えて立っていた。
これから鬼夜叉童子の手によって犯されてしまうことは、避けられそうになかった。
そのことを想像するだけでも、おぞましさに死にたくなる。しかし人質をとられている状況では、舌を噛むことも出来ない。

「順序から言えば姉からだが、妹の方はもう、欲しうて欲しうてたまらなくなっておるようじゃ。あまり待たせては気の毒よの」
時平がからかいを含んだ口調で言った。

「承知つかまつりました。これ、麻衣を引っ立てい!」
ラーガが邪鬼に命令を下した。

「ケケケーッ、ほら、歩きやがれ」
邪鬼たちが麻衣をむりやり鬼夜叉童子の前に引き出そうとする。

「い、いやぁー、やめてぇーっ!」
麻衣は悲鳴をあげて抵抗する。

「ま、麻衣! やめろーっ、この人でなし! 放せー!」
「ケケケケッ、おとなしくしていやがれ!」
「心配しなくても、お前もすぐにぶち込んでもらえるからよ!」
絶叫し、妹を救おうとして暴れる亜衣を、邪鬼たちが容易く押さえつける。

「お、おねぇちゃぁんっ!」
「麻衣ーっ!」
「ホーッホッホッ、愉快よのう」
時平が姉妹の抵抗を嘲笑った。

麻衣はその眼前に荒々しく引き据えられた。
時平は扇を麻衣の顎に当て、クイッと上を向かせると、舌舐めずりをして、そのかわいらしい顔を見つめた。
麻衣は怯えの色を滲ませながらも、キッと睨みつける。

「おお、怖い怖い。しかし活きが良い方が、屈服させる悦びもまた大きいというもの」
そう言うと、時平は袴を脱ぎ捨て、下半身をさらけ出した。
股間のそそり立つ逸物が、麻衣の顔前に突きつけられた。血管の浮き出た醜い欲望の象徴に、麻衣は息を呑み、思わず顔を背けた。
乙女が目に入れるようなものではない。羞恥に耳まで朱くして、固く閉じた瞼を震わせている。

「―――咥えよ」
時平が冷酷な声で非情な命令を下す。
麻衣はさらに顔をうつむけ、頑に拒む。

「ホホホホッ、さあ舐めるのじゃ。ホレ早ういたせ」
髪をつかんで強引に引き起こすと、時平は股間の汚らわしいモノを、麻衣の顔になすりつけた。
固く引き結ばれた唇をこじ開けようとする肉棒が滑り、頬を嬲るようにこする。

「んんー、ん゛ーっ」
目も口も固く閉じて、麻衣は必死に抗った。

「ククククッ、どうやらそやつ、人質の命が惜しくないと見えまするな。一人二人殺してみせれば、大人しく言うことを聞くようになりましょう」
ラーガが残忍なことを口にした。

「そうじゃな。そういたすか」
時平が頷いてみせる。

「―――!? や、やめて!………言う通りに…するから」
麻衣は悲痛な表情で決意を口にした。

「オッホッホッ、初めからそうすれば良いのじゃ」
笑声とともに、再び顔前に男根が突きつけられた。使い込まれ、黒光りする巨根である。
麻衣は涙を浮かべ、嫌悪にうち震えながら、ゆっくりとその愛らしい唇を汚らわしい肉棒へと近づける。
が、どうしてもそれに口をつけることができず、その動きが止まる。

「ホレ、どうしたのじゃ? んん?」
鼻先でプラプラと肉棒が揺らされる。

「………うう……」
麻衣の顔を光るものが流れ落ちた。
悲壮な決意を固め、ついにそれを口に含む。

「んん…むぐ、んっ」
唇に、歯に、舌に、熱を持った肉の棒がこすり当てられ、口内をいっぱいに埋め尽くす。
そのおぞましさに、麻衣はこみ上げて来る吐き気を懸命に堪えた。それの形状や味を舌が感じ取ってしまうのが、この上なく気持ち悪かった。
人質さえいなければ、こんなものは噛みちぎって吐き捨ててしまいたかった。

「オッホホホッ、楽しや、楽しや! 憎き天津のおなごを穢す悦びはまた格別よ。ホーッホッホッホッ、もっと舌を使え! 歯でしごき、音をたててしゃぶるのじゃ!」
時平は哄笑しながら、麻衣の頭をつかみ、自ら腰を動かして口を犯す。

「んぐっ…ぐ、んむ、んっ……ぐ、ぐぼほっ、げほっげほっ」
猛り狂った男根が、頬の内側や喉に突き立てられ、麻衣は苦しげに咳き込んだ。
口腔性交の経験など一度もない娘に、惨すぎる陵辱であった。頬を涙で濡らし、汚辱に心で悲鳴をあげる。

「麻衣……!」
妹の痛ましい姿に、亜衣は涙を流して唇を噛んだ。こんな時に何も出来ない無力な自分を呪う。

「おお、良い具合よ。表情がまたたまらぬのう。ホホホホホッ」
涎を垂らさんばかりの声で、時平が言った。

「んぐぐ、ん゛ーっ、んんっ」
苦しさに麻衣が呻く。
肉棒のみならず、縮れた毛が鼻先をチクチクと刺し、口内にも紛れ込むのがたまらなく嫌だった。

ヌポォ〜
不意に時平が麻衣の口から分身を引き抜いた。
ツゥーっと、一瞬、鈴口と麻衣の舌との間に、粘液の橋が渡っているのが見えた。

「かほっ、けふっ、けほっ…」
麻衣はむせかえり、肩で荒い息をして喘いだ。

「このまま最後までと言うのでは興に欠ける。せっかくじゃ、両手も自由にしてやるゆえ、しっかりと奉仕せよ」
時平が紅く濡れる妖しい唇を歪め、麻衣を見下ろして言った。
後ろ手に縛っていた戒めが解かれる。

「……あ……」
麻衣の目の前に、唾液で濡れ光り、そそり立つ魔羅があった。
血管を浮き上がらせ、巨大なカリ首を傘のように広げている。時折ヒクッヒクッと動いているのが、それ自体の生命を感じさせた。
麻衣の奉仕を黙って促すかのように、剛棒は傲慢に宙を向いて聳え立っている。
それを見ていると、何故か股間が熱を増し、胸の奥に妖しい感情がさざ波をたてたような気がして、思わず生唾を呑み込んだ。

(そんなはずない……こんな汚らわしいもの、触れるのもイヤよ!)
自分でも説明し難いその感情を打ち消すように、麻衣は心の中で自分自身に言い訳めいた叫びをあげた。

「………っ」
言葉にならない呻きをもらし、おずおずといきり立つ欲棒へと手を伸ばした。
純情な麻衣には、どのようにそれを扱えば良いのかという知識がなく、戸惑いが動きを止めた。
しかし、ともかくどうにかしなければならない。人質の命がかかっているのだ。
震える指で嫌々ながら男根に触れる。一度口の中に入れられたとはいえ、その硬さに驚きを覚えた。
指を回すのがやっと、という太さのそれを握り、ゆっくりと手を動かしてみる。表面は自らの唾液でぬめっていた。

「ホッホッホッ、そうじゃ、指でよーくしごくのじゃ」
言われた通りにぎこちないながらもしごきだす。

「おお、そうじゃ。それ、両手を使え。……口もじゃ。休むでないぞ」
時平が目を細め、淫らな要求をする。

「唇を這わせ、舌を絡めのじゃ。しっかりと咥え、啜りあげよ!」
「ん、むぐ……ふうっ…んあっ」
麻衣は恥じらいながらも懸命に要求に応えた。

レロッ ピチャッピチャッ ジュプッジュパッ ジュルルッ
卑猥な音をたて、硬く屹立した性器をしゃぶる。

麻衣の心の中でさっき生じたさざ波が、しだいに大きく揺れ始めていた。
胸の奥底から、密かな興奮がせり上がってくる。

「ホホホホホッ、なかなかうまいではないか! 次は胸に挟んでしごくのじゃ!」
時平の言うがままに、麻衣は両手で豊かな胸を持ち上げ、その狭間に肉棒を挟みこみ、しごきあげる。
唾液と、肌に塗られた香油が滑りを良くして、スムーズに男根をこすりたてた。

「ふうっ、んあっ、はあ……」
麻衣は乳房がこすられるもどかしいような感覚に、思わず声をあげていた。
自らの両手の指で弾力あふれる柔らかな胸を揉みたてる。無意識にか、二本の指の間に乳首を挟んでこすり始めていた。

「そのままで麿の魔羅を舐めよ。それ……ホッホッ、良い心地じゃ」
柔軟な双つの豊肉の狭間で奉仕を続けながら、レロッレロッと麻衣は努張を舌で愛撫していく。
麻衣の顔からはいつの間にか嫌悪の色が薄れ、その淫猥な行為に没頭していた。

時平が胸の谷間から自分自身を引き抜き、麻衣の口に挿入する。頭を両手でつかみ、強引に前後させた。
麻衣はジュポッジュポッと大きな音をたてて強く啜り、しゃぶる。
自由になった麻衣の両手は、いつの間にか自らの胸と股間に伸ばされていた。

「……ふああっ、んむぅ、んはっ、んむ、むん……」
快楽に我を忘れ、麻衣は喘ぎながら時平を貪っていた。
時平の動きが早まる。

「おおっ!おおっ! えもいわれぬ快さよ!」
歓喜の声をあげ、時平は麻衣の頭を強く押さえつけ、喉の奥深くへ突き入れる。

「んぐぐっ、んぶっ」
苦しさに麻衣がもがいた。

「ホホホホホホッ、それ、ゆくぞ! こあああっ」
時平が法悦の叫びを放ち、麻衣の口の中に放出した。

「んん!? んん゛ーーーっっ!!」
麻衣はとっさに逃れようとしたが、がっちりと押さえられた頭を離すことが出来ない。

(い、いやあぁぁぁっっ!!!)
熱いほとばしりが勢いよく喉の奥に弾けていく。
ビュクンッビュクンッと肉茎が脈動し、それに合わせて、熱を持ったねっとりとした液体が、麻衣の口内を汚していく。
臭気を放つおぞましい粘液が口の中に広がる感覚に、麻衣は吐き気を堪えた。

満足するまで麻衣の口に注ぎ込んで、時平はやっと手を離した。
すかさず麻衣は口を股間から引き離し、粘つく白濁した淫液を吐き出した。

「うぐ、げほっ、げほっ、うう〜っ」
涙と涎を流し、舌を出して汚らわしい時平の精を吐き出す。ねっとりと舌や喉にこびりついたそれは、なかなか流れていかない。
時平が乱暴に麻衣の顎をつかみ、顔をあげさせた。必然的に口が閉じられてしまう。
唇の端から白い汚液が伝い落ちていた。

「ホーッホッホッ、麿のせっかくの情け、誰が吐き出して良いと言うた? 全て呑み干すのじゃ」
淫らな期待に満ちた目で、時平が言った。

「んんー」
涙の浮かんだ瞳で、麻衣はいやいやをするように首を振った。こってりとした粘液が舌の上に残っている。

「できぬと申すのか? そうは言えぬはずでおじゃろう?」
人質の存在を言外に匂わせて覗き込む。

「んん……」
絶望に染まった顔で、麻衣は肩を落とした。幾度かためらい、吐き気を堪えながら、汚らわしい粘液を決死の覚悟で嚥下する。
麻衣の白い喉が上下し、ごくり、と鳴った。

「ホーッホホホホホホッ、呑み下しよったわ! どうじゃ、うまかったか? 麻衣、そちの腹の中までが、憎き敵の精で満たされたのだぞ! 気分はどうじゃ? ホーッホッホッホッホッ!」
時平の嘲笑を聞きながら、麻衣は両手をついて嗚咽していた。無理もない。到底耐えられる仕打ちではなかった。
だが無論、この程度で鬼獣淫界の陵辱が終わるわけもない。


               (つづく)
 

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