淫獣聖戦ZZ 第7章 改訂版
著者 : パンダパン




いつの間にか衣は脱ぎ捨てられ、全裸になっている。若々しい引き締まった裸身に整った顔立ちの男が、いま麻衣と下半身でつながっていた。
その美貌で麻衣の心を射止め、淫術によって恋心を弄び、榊の枝による自慰にまで導いた男。
麻衣にとっては思い出したくもない黒歴史であり、今となっては憎しみの対象である。

「何を考――あぁっ!?」
その顔に似合わぬ巨根を麻衣の中に埋めたまま、ゆっくりと光時が抽送を開始した。

「麻衣、僕が気持ちよくしてあげるよ」
時平の癇に障る声とは違う落ち着いた美声が囁く。
ラージャが変化した美形の男に愛を囁かれ愛撫された時、迂闊にもときめいて受け入れてしまった麻衣だが、いくら美形に弱いとはいえ、仇敵とわかっていればよろめきはしない。
かえって嫌悪感に顔を歪ませた。

「そんな顔に化けたからって……んっ……騙されたりしない」
「怒った顔も素敵だね……でも身体のほうは、僕を受け入れているようだよ?」
「そんなこ……んぅ……動……かないで!」
結合部から湧きあがる甘やかな快美感が、麻衣の理性を狂わせ、感情をかき乱してしまう。
ゆっくりと麻衣の中を味わうように、優しく男性器がリズムを刻み、入口近くまで後退しては、襞をかき分けて前進し、奥の秘密の戸口をノックする。
ゆるゆるとした動きが粘膜のこすれ合いや絡みつく液体の動きまでも意識させ、先ほどまでの激しい挿入とは違った気持ちよさを生じさせる。

「あふ……んくっ……」
時平が自分を騙し、陥れようとしているときの偽の顔。悪意に満ちた憎むべき美貌。
そうわかっているのに、恋人のように身体を重ね、深い快感を自分に与える男を、跳ねのけることができない。

「あんっ……やめ、放して――!」
せめてもの抵抗に手で押しのけるようなそぶりを見せるが、巧みにいなされ、密着させた腰を振られると、もう抗えない。
麻衣は急速にまた昂りつつあった。

「ああ、いいよ麻衣!……粘膜がこすれて……襞が絡みついて、たまらない!」
恍惚とした表情で光時が言いながら、息を荒くして腰の動きを速めていく。

「麻衣!……もう中はビショビショで、僕のモノをヌルヌル包みこんで……ああ、最高だよ!」
光時が麻衣に抱きつくようにして上半身も密着させる。
ギュッと両手を背中に回してかき抱き、唇を首筋に押し当てて吸いたてながら、腰だけ別の生き物のように回転させ、
麻衣の花弁を押しつぶし、グリグリと圧力をかけながら摩擦を加える。

「嫌ぁ、放して……ダメ!……ダメなの!……このままじゃまた……」
きつく抱きしめられて自由の効かない状態で麻衣が焦りの声をあげた。
このままではすぐに限界に達してしまう。

(どうしてこんなに感じちゃうの?)
深い充足感と激しい興奮がずっと継続し、理性を押し流してしまいそうだった。

(嫌なのに、こんな奴に抱かれたくないのに!)
まるで恋人同士のように抱き合う形で身体を重ねての性行為。
最も基本的な形での、麻衣が妄想の中で理想的な恋人との逢瀬として夢見ていたような形でのセックス。
最も憎むべき相手によってその行為を身に受けている。
不快であるはずなのに、そうでなければならないのに、身体は勝手に反応してしまっている。

首筋に吸いついていた唇が麻衣の頬と唇を優しくかすめ、次いでそっとついばむ。
そのむず痒い心地よさと、膣内を灼く激しい快感との落差が、麻衣の胸をかき乱す。
そうだ、あの榊の枝で自らを慰めていたとき、妄想の中で自分はこんな風に光時に抱かれたかったのだ。
その後、光時の正体を知り、術が解けてからは、思い出すことを避けていた記憶だが、枝がグショグショに濡れて蜜がしたたるほどに激しく乱れたあの時の快楽は、別格だった。
麻衣はそれから後も何度か自慰に耽ったが、あれほどの絶頂感はついに得られなかった。

だが今日は――
今日は異常なほどに身体が敏感になっている。
ラージャの責めも、時平の責めも、異次元の快楽で麻衣を激しい絶頂に導いた。
あの榊の枝で得た快楽など比較にならないほどに……。
そして今、光時によって与えられるこれもまた――

「――ひゃぅ!?」
ひときわ強い刺激が膣内を貫いた。

「ここかい? ほら、ここがいいんだろう?」
光時が興奮した声で言いながら、屹立した硬いモノの角度を固定し、麻衣の中を再びえぐった。

「あ!? あ!? あぁ!? ダメ!! そこは…ダメ!!」
隠されていた鉱脈を掘り当てたかのように、麻衣の急所を察知し、ここぞとばかりに光時が責めたてる。

「ここだね? 僕のコレも当たってこすれて、とっても気持ちいいよ、最高だよ麻衣!」
もはや抽送はやめ、的確に急所に肉棒を押し当て、振動を与えながら腰をひたすら強く押し当てる。
必然的に、押し広げられた花弁の上の、最も敏感な肉芽に強い振動と摩擦が加えられる。
奥と外側――子宮膣部と陰核、両方に与えられる強い刺激が、麻衣の必死の我慢を突破しようとしていた。

「あぅ! はぁあぅ!」
我を忘れ、甲高い嬌声を放つ。
光時が前のめりに圧力をかけるせいで麻衣の腰が浮き上がる。
初めは踏ん張ってブリッジのようになっていたが、光時がさりげなく手をかけて麻衣の両脚を浮かせると、自然に光時の腰に絡みつき、脚で抱きつくような格好になる。

「あぁっ! あっ! あぁっ! あっ!」
もう出てくる声は言葉にならない。
無理な格好になった麻衣は、両腕も光時の背中にまわし、自分から抱っこをせがむような形で光時に密着した。
男を引き寄せ、その体重と体温、肌の感触を感じながら、腰を振って粘膜をこすり合わせる。

「―――イクよ、麻衣! 中に出すからね! 一緒にイって!」
荒い呼吸の中で光時が強い調子で言うと、最後により激しい振動を与えた。同時に自らの唇で麻衣の唇をふさぎ、舌を差し入れた。

「んん゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
白熱した快感の奔流が弾け、麻衣が声にならない悲鳴をあげた。

必死に光時にしがみつき、両脚を光時の腰にきつく巻きつけ、白い腹や胸を波打たせ、顎を震わせて見悶える。
男の腰を逃がさず、一滴残らず中で搾り取ろうとする本能的な反応。
それに応えるように光時の肉棒から熱いものが迸り、麻衣を満たしていく。
子宮に向かって勢いよく精液が放出され、中に?み込まれていった。
ビュクッ、ビュクッと断続的に放たれる熱い液体に奥の奥を叩かれる刺激が、麻衣にさらに深い絶頂をもたらした。

「―――――――ッッ!!」
キュウキュウと膣内を収縮させて男根から最後の一滴まで精を搾りぬき、十数秒に渡って下腹部をガクガク震わせる。
先ほど、獣の姿勢で後ろの穴を犯されたときとの灼熱の絶頂とは違う、深い満足感を伴って長く継続するエクスタシー。
麻衣はその余韻に陶然となり、光時と舌をからめ、うっとりと深い接吻に身をゆだねた。

上と下で粘膜がからみあい、体液が交換される。
まさしく恋人たちが愛を確認する行為と同様の交わりであった。
チュル、と濡れた音をたてて唇が離れた。

「これで君は僕のものだ、麻衣……」
光時が微笑みながら麻衣に囁く。
恍惚とした表情で麻衣は光時の顔を見上げた。
女としての最高の幸福とも言うべき悦楽をもたらした相手に、もはや抵抗する気も失せたようであった。
―――が、

「……そして次は、儂のものになるのじゃ」
突然かけられたしわがれた声に、麻衣の表情が凍りつく――。


               (つづく)
 

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